働き方改革に伴い2024年4月1日から時間外労働時間の上限規制が始まります。
雇い主が年間時間外労働960時間を超えて社員を働かせた場合罰則が生じるとのこと。
長時間労働の是正(960時間も十分長時間だと思うが)、過労死防止等を目的にしています。
さて本来この働き方改革に伴い、物流事業者の収益性をいかに高めるか、
物流の持続性について非常に危機感を持って議論され方向性が示されたと記憶しています。
日経新聞の1面でも物流危機が取り上げられるなど、世の中の雰囲気として「まずい」と言う
空機感がありました。徐々に運賃も引き上げの方向になりつつありました。
その状況を一変させたのがコロナウィルス感染症です。
景気の急減速、人流の抑制、テレワークの推進。日本だけでなく世界情勢は一変しました。
物流の視点から見れば、急激に貨物量が減りました。それまでのドライバー不足・車両不足の状況がある意味解消されました。
貨物確保のため物流事業者によるダンピングが起こるなど、当面の売上確保、稼働確保に動いたのが現状でした。
感染の波がありますが、いよいよ出口が見えてきたのが現状です。取扱貨物に差はありますが、人手不足が再燃しています。
そしてそこに迫るのは2024年問題ではなく、2023年問題です。
2024年問題は確かに大きな課題です。長距離輸送、時間外手当で稼ぐとスタイル。
物流の働き方に確実に変化が訪れます。ただ言いたいのはこの罰則は会社に来ると言う事です。
しかも2024年4月から1年間の結果が出るのは2025年4月以降です。では2023年問題はどうなるのでしょうか。
2023年問題は60時間超の時間外労働の割増運賃が1.25→1.5倍になります。
論点は2つ、払えるだけの収益性を確保しているか。そして支払いが翌5月に発生すると言う事です。
荷主と時間外について契約を巻き直しが出来ている、1.5倍払える、そもそも時間外労働が60時間に達しない、
このような状況であれば問題は大きくないでしょう。最大の問題は2023年4月の答えは翌5月に分かると言う事です。
割増賃金が払えない会社に対して、社員はどのように思うでしょうか。
会社の将来に対し、きっと不安を覚えるはずです。残念ですが離職が進むはずです。
この負のスパイラルはただでさえ収益性が低い会社にとってはほぼ「アウト」を宣告される状況を生みます。
いよいよ2023年4月まで5か月となりました。弊社では時間管理、お客様と将来の物流に対する協議を進めています。
「運べない」に答えを出していきます。

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